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大阪地方裁判所 平成5年(わ)1068号 判決

主文

被告人を懲役三年及び罰金三〇万円に処する。

未決勾留日数のうち四〇日を右懲役刑に算入する。

右罰金を完納することができないときは、金五〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

押収してあるチャック付ビニール袋入り覚せい剤白色結晶二袋(〈押収番号略〉)、チャック付ビニール袋入り乾燥大麻葉片二三袋(〈押収番号略〉)、フィルター付紙巻タバコに入った大麻葉片二本(〈押収番号略〉)、チャック付きビニール袋及びビニール袋入り乾燥大麻葉片各三袋(〈押収番号略〉)、ビニール袋入り乾燥大麻葉片一袋(〈押収番号略〉)並びにチャック付ビニール袋及びチャック付ビニール袋入り乾燥大麻葉片各一袋(〈押収番号略〉)を没収する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、

第一  A及びBと共謀のうえ、みだりに、平成四年九月二四日午前一時一五分ころ、大阪市浪速区〈番地略〉先路上において、フェニルメチルアミノプロパン塩酸塩を含有する覚せい剤結晶約1.674グラム(〈押収番号略〉の覚せい剤はいずれも鑑定に費消した残量)、営利の目的で大麻約761.92グラム(〈押収番号略〉の大麻はいずれも鑑定に費消した残量)及び被営利の目的で大麻約4.361グラム(〈押収番号略〉の大麻はいずれも鑑定に費消した残量)を所持し、

第二  法定の除外事由がないのに、同年一〇月三一日午前五時ころ、同市西成区〈番地略〉ホテル「甲」二階特一号室において、フェニルメチルアミノプロパンを含有する覚せい剤結晶約0.15グラムを水に溶かして、自己の身体に注射し、もって、覚せい剤を使用し、

第三  法定の除外事由がないのに、平成五年二月二五日午後一〇時ころ、同市天王寺区〈番地略〉ホテル「乙」四〇五号室において、フェニルメチルアミノプロパンを含有する覚せい剤結晶約0.15グラムを水に溶かして、自己の身体に注射し、もって、覚せい剤を使用した。

(証拠の標目)〈省略〉

(累犯前科)

一  事実

(1)  昭和六〇年一一月二二日鹿児島地方裁判所で覚せい剤取締法違反、窃盗、大麻取締法違反の各罪により懲役四年に処せられ、平成元年一一月二四日刑執行終了

(2)  平成二年一〇月二五日奈良地方裁判所葛城支部で(1)の刑執行終了後犯した覚せい剤取締法違反の罪により懲役一年二月に処せられ、平成三年一一月一四日刑執行終了

二  証拠〈省略〉

(法令の適用)

罰条

判示第一の所為のうち

覚せい剤所持の点 刑法六〇条、覚せい剤取締法四一条の二第一項

営利目的の大麻所持の点 刑法六〇条、大麻取締法二四条の二第二項、一項

非営利目的の大麻所持の点 刑法六〇条、大麻取締法二四条の二第一項

判示第二及び第三の各所為 いずれも覚せい剤取締法四一条の三第一項一号、一九条

科刑上一罪の処理 刑法五四条一項前段、一〇条(判示第一の罪について、一罪として最も重い覚せい剤所持の罪の刑で処断、但し、罰金併科は、営利目的の大麻所持の罪について定めたそれにより、情状により同罪所定の罰金を併科)

累犯加重 各刑法五九条、五六条一項、五七条(前記各前科の関係で、判示第一の懲役刑、判示第二及び第三の刑についてそれぞれ三犯の加重)

併合罪加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、一四条(犯情の最も重い判示第一の罪の懲役刑に法定の加重)

主刑 懲役三年及び罰金三〇万円

未決勾留日数算入 刑法二一条(懲役刑に四〇日算入)

労役場留置 刑法一八条(金五〇〇〇円を一日に換算)

没収 覚せい剤取締法四一条の八第一項本文(押収してあるチャック付ビニール袋入り覚せい剤白色結晶二袋(〈押収番号略〉を没収)、大麻取締法二四条の五第一項本文(チャック付ビニール袋入り乾燥大麻葉片二三袋(〈押収番号略〉)、フィルター付紙巻タバコに入った大麻葉片二本(〈押収番号略〉)、チャック付ビニール袋及びビニール袋入り乾燥大麻葉片各三袋(〈押収番号略〉)、ビニール袋入り乾燥大麻葉片一袋(〈押収番号略〉)並びにチャック付ビニール袋およびチャック付ビニール袋入り乾燥大麻葉片各一袋(〈押収番号略〉)を没収)

訴訟費用 刑事訴訟法一八一条一項但書(全部不負担)

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官竹田隆)

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